本編(Growth & Promotion Plan)は、初年度の集客を国内で組み切る計画です。22,000人の構成に、海外からの来園は1人も計上していません。初年度としてはそれが正しい判断です。
ただし海外の認知は、広告では買えません。時間がかかります。だから、いま始める価値があります。
この資料は、アジア圏の認知を5年かけてつくるための別案として整理したものです。
① 本資料は検討段階のもので、アーティスト側との正式な合意事項ではありません。
② 費用はすべて概算・要相談です。確定見積ではありません。
③ 出演の可否と時期は、アーティスト側のスケジュールに依存します。
④ 本資料には、未解禁の公演日程は一切掲載していません。
⑤ アーティストの写真・ロゴは使用許諾の取得前のため掲載していません。提案の最終版では別途取得が必要です。
⑥ 掲載写真は園内で撮影された写真を加工したイメージです。
本編の最重要ターゲットは「すでに京都にいる人」でした。寺社は夕方で閉まり、夜の行き先が空いているからです。
その「すでに京都にいる人」の中には、すでに京都にいる海外からの旅行者が相当数含まれます。ただし初年度の計画では、ここに手をつけていません。日本語の広告と国内媒体で組んでいるためです。
海外向けに広告を出せば届く、という話でもありません。「京都に、そういう場所がある」と知っている状態を先につくる必要があり、それは短期の出稿では作れません。
来園の前に、認知が要ります。台湾・香港・シンガポール・タイに届いている人と組むのが、いちばん速い経路です。
ライブは当日で終わります。楽曲は残り、翌年以降も使えます。本編と同じ考え方(今年だけで消える販促にしない)をここにも通します。
初年度は海外からの来園を数えられません。数えられるようにするところから始めます(P.13)。
アーティストコラボでいちばんよくある失敗は、植物園とアーティストの間に接点がなく、理由が後付けになることです。「有名だから呼ぶ」に見えた瞬間、企画は弱くなります。
茉ひる(MAHIRU)さんの場合、その心配がありません。代表曲の題材が、そのまま花と香りです。
2026年1月リリース。MBS「ドラマ特区」枠の連続ドラマ主題歌に起用。
花の名前がそのままタイトルになった曲を、花を100年育ててきた場所で歌う。
5,700万ストリーミング、MV 1,000万再生超。台北のバイラルチャートで1位を獲得した代表曲。
アーティスト側がいま扱っているテーマそのものが、この場所と一致しています。こちらから寄せる必要がありません。
出典=アーティストシート(2025年11月時点)およびヒアリング。★要確認 百日草の花言葉と、園内での開花状況(実際に園にある植物かどうか)。「園にその花がある」と言えるなら、企画の説得力がもう一段上がります。
「アジアで知名度がある日本人アーティスト」ではありません。アジアにファンベースがあり、チケットが実際に売れているという状態です。── 数値はアーティストシート(2026年5月時点)より。
| プラットフォーム | 主なリーチ先 | 特徴 |
|---|---|---|
| 香港(14.1%)/台湾(新北・台中・高雄) | 既存ファンとの関係 | |
| TikTok | 台湾・香港・マレーシア・シンガポール・タイ | 18〜34歳が約8割 |
| 小紅書 | 中華圏 | 女性比率 68% |
京都のインバウンドと、そのまま重なる地域です。台湾・香港・シンガポール・タイは、京都への来訪が多く、かつリピート率も高い層。
具体的な公演日程は未解禁の情報を含むため、本資料には掲載していません。提案の場で必要になった場合は、アーティスト側の解禁状況を確認した上で扱います。
アーティスト側は来年上半期まで、新規楽曲の制作枠が厳しい状況です。つまり「3月に書き下ろしの新曲を間に合わせる」のは現実的ではありません。
したがって3月は既存曲で組み、書き下ろしはその先に置きます。順番を逆にすると、企画ごと流れます。
差は「当日の集客」ではなく「事前に何回届くか」です。アーティストのアカウントから曲つきで出せるかどうかで、事前のリーチが変わります。
書き下ろし楽曲は「次のステップ」として P.09 に置いています。3月の判断とは切り離して検討できます。
既存曲を「当日の演出」と「事前の告知」の両方に使います。ライブ当日だけの企画にせず、会期全体の集客材料にするのが狙いです。
既存曲を使った縦型の告知動画を制作。園の夜の映像に曲を乗せる。
アーティストのアカウントからも展開されれば、アジアのファンへ直接届く。ここが広告では代替できない部分。
水面前でのミニライブ(アコースティック編成を想定)。
大規模なステージは組まない。この場所でしか成立しない規模と距離にすることで、映像がそのまま次の告知素材になる。
ライブ映像が残る。翌年以降の告知に使える。
アジアのファンにとっては「行けなかった場所」として記憶される。次回の来園動機になる。
既存曲の詞と曲の利用は JASRAC への使用料支払いで処理できます。
ただし市販の音源(CD・配信の音)をそのまま使う場合は、原盤権(レコード会社等)の許諾が別途必要になります。
告知動画で音源を使うのか、演奏で成立させるのかによって、必要な手続きと費用が変わります。ここは早い段階で切り分けが要ります。
「百日草」は花の名前がタイトルの曲であり、この場所で使う理由が説明不要です。まずこの1曲に絞って許諾範囲を詰めるのが、いちばん通しやすい形だと考えています。
出演のみで、楽曲の使用許諾を取らない構成です。費用と交渉の負荷が最小になります。
一方で、事前の告知に曲を使えないため、「出演します」という情報告知に留まります。当日の集客には効きますが、会期全体を押し上げる材料にはなりにくい。
本編の言い方をすれば、「今年だけで消える施策」に近い形です。
| PLAN A | PLAN B | 効く場所 | |
|---|---|---|---|
| 当日の集客 | ◎ | ◎ | ライブ日 |
| 事前の告知 | ◎ | △ | 会期全体 |
| アジアへのリーチ | ◎ | ○ | 認知 |
| 翌年以降に残る素材 | ○ | △ | 次回の告知 |
| 交渉と権利処理 | 重い | 軽い | 準備期間 |
| 費用 | 出演料+楽曲 | 出演料のみ |
B から始めて、翌年 A に上げるという順序も成立します。1回目に関係と実績をつくり、2回目に楽曲まで踏み込む形です。
予算が固まらない場合は、この順序が現実的です。
楽曲の扱いは3通りあります。「毎年使いたいのか、1回だけなのか」を先に決めると、費用も交渉も一気に整理できます。
| 選択肢 | 内容 | いつから可能か | 費用の目安 | 残るもの | |
|---|---|---|---|---|---|
| 01 | 既存曲を使う | 「百日草」等を告知動画・当日演出に使用。3月に実現できるのはこれ。 | 3月から可能 | JASRAC 使用料音源使用なら原盤許諾が別途 | 使用期間のみ |
| 02 | ワンコーラス/30秒の書き下ろし | 短尺の書き下ろし。フル1曲より現実的で、事例もある形。 | 来年下半期以降上半期は制作枠が厳しい | 50〜150万円著作権の帰属で変動 | 曲が残る。翌年以降も使える。 |
| 03 | フル楽曲の書き下ろし | 事業のテーマソング。権利処理も交渉も重くなる。 | 要相談 | 02 を上回る | 事業の資産 |
権利をアーティスト側が持つ場合と、事業側が持つ場合で費用が変わります(事業側が持つほど高くなります)。
「毎年、この曲を自由に使いたい」のか、「その回だけ使えればいい」のか。ここを先に決めないと、見積そのものが出せません。
短尺の書き下ろしは制作費でほぼ消える性質のものです。「この曲で売上をつくる」ではなく、翌年以降の告知の入口を1つ持つための投資として置いています。
本編で「今年の400万円を、今年だけで消える販促費にしない」と書きました。楽曲はまさにその形です。
一度つくれば、翌年の告知は「あの曲の場所」から始められます。
費用はすべてヒアリング段階の概算であり、確定見積ではありません。契約内容・使用範囲・期間によって変動します。
大きなステージは組みません。この場所でしか成立しない規模と距離にすることが、そのまま次の告知素材になります。
| 項目 | 案 | 論点 |
|---|---|---|
| 場所 | 水面前。夜間開園の見せ場と同じ場所で歌う | 電源・機材搬入 |
| 編成 | アコースティック(弾き語り〜小編成) | 音量と近隣配慮 |
| 時間 | 20〜30分/1日2回を想定 | 入替と滞留 |
| 観覧 | 立ち見・入替制。特等席は設けない | 安全と動線 |
| チケット | ライブ日を別券種にするか、通常券のままか | 売上と混雑 |
| 記録 | 映像・写真は必ず押さえる(翌年の素材) | 撮影許諾 |
| 配信 | アジアへ届けるならライブ配信かアーカイブ | 権利処理 |
★要確認 園としての音量・終了時刻・動員上限・機材搬入の許容範囲。ここが決まらないと、編成も回数も決められません。最優先で確認したい項目です。
当日ライブを見られる人数には限りがあります。効いてくるのは、その日に発信された分と、残った映像です。
だから「撮れる状態」を先に設計しておくことが、当日の運営と同じくらい重要になります。
来場者が写る素材は、掲示と口頭での撮影告知など、適切な手続きを前提とします。
この企画は、初年度(11月)の販促予算 約400万円の中では実施できません。3月以降の別予算として組む必要があります。
以下はすべてヒアリング段階の概算であり、確定見積ではありません。契約内容・使用範囲・規模によって変動します。
| 費目 | 内容 | 目安 | 変動する要因 |
|---|---|---|---|
| 出演料 | ミニライブ出演 | 別途見積規模・時間・回数による | 編成/回数/拘束時間 |
| 交通・宿泊・機材 | アーティストおよびスタッフ分 | 実費出演料とは別 | 人数/機材量 |
| 楽曲|既存曲の使用 | 告知動画・当日演出での使用 | JASRAC 使用料音源使用なら原盤許諾が別途 | 使用範囲/期間/媒体 |
| 楽曲|書き下ろし(30秒) | ワンコーラス/30秒の書き下ろし | 50〜150万円 | 著作権の帰属/使用期間 |
| 当日運営 | 音響・照明・ステージ・スタッフ・警備 | 別途見積 | 動員数/回数/規模 |
| 告知・制作 | 縦型告知動画/ビジュアル/多言語対応 | 別途見積 | 本数/言語数 |
ライブは「出てもらう費用」だけでは成立しません。音響・照明・ステージ・警備・スタッフが同時に要ります。規模を小さく設計するのは、演出上の理由だけでなくここを膨らませないためでもあります。
出演料よりも、楽曲をどこまで、いつまで使えるかのほうが金額を左右します。使用範囲を欲張らず、必要な範囲だけを先に決めるのが結果的に安く済みます。
金額を確定させるには、先に①日程 ②規模(動員・回数) ③楽曲の使用範囲と権利の帰属の3つを決める必要があります。この3つが決まれば、正式な見積を取れます。
1回のライブで海外集客が立ち上がることはありません。本編の5年ビジョンに、アジアの軸を重ねます。
予算がありません。国内で土台をつくることに集中します。
ここで無理に手を出すと、本編の計画ごと崩れます。
ライブと既存曲で、アジアのファンに「京都にこういう場所がある」を届ける。
まだ来園にはつながらない前提で置く。
書き下ろし楽曲。翌年以降の告知の入口を1つ持つ。
ここから「あの曲の場所」として告知を始められる。
海外からの来園を計測できる状態にする。多言語のLP・決済・言語別の流入。
ここで初めて「効いているか」が分かる。
旅行会社・OTA・現地媒体の「京都の夜」の枠に入る。
アーティスト依存から、場所そのものの認知へ。
YEAR 3 の「初めて数える」がいちばん重要です。それまでは効果が見えません。見えないまま2年続ける覚悟が要る、という話でもあります。
最終的に目指すのはアーティスト依存からの卒業です。「茉ひるさんが出るから行く」から、「京都のこの季節なら、あの場所へ行く」へ。本編の DESTINATION と同じ到達点です。
書き下ろしまで進めば、翌年以降も使える資産になる。
この場所でしか撮れない画。次回の告知の入口。
台湾・香港・シンガポール・タイのファンとの最初の接触。
言語別の流入と購入を数えられる状態をつくる。
本編(Growth & Promotion Plan)の考え方と同じです。1回で消える施策にせず、次回の初期条件を上げる。

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注意:本資料は検討段階のものです。費用はすべて概算・要相談であり、確定見積ではありません。未解禁の公演日程は掲載していません。